−−−−−我が侭





「何やってんの?」


 突き放すように冷たく言ったら、睨まれた。


 でも、冷たく返ってきた視線は、ほんの一瞬。


 すぐに逸らされて、俺の存在無視した無関心がお前の鎧。


 俺がお前を心配しなきゃいけない理由なんて、どこにもないって。


 お前が俺の言葉を耳に入れる理由なんて、どこにもないって。


 それが二人の態度。


 二人の間にあるのは、冷えきった空間。


 それはわかってる。


 でも、声を掛けた。


 たまたま目に入ったお前の姿が、邪魔だと思ったから。


 お前が、いきなり気まぐれに目の前に現れたりしたから。


 何それ?


 ワガママ?


 誰の?


 わかってて、言ってやる。


「失せろよ」


 どうせ、俺の言うことなんか聞きやしないけど。


 それもわかってる。


 確かに、先に手を放したのは俺だから。


 引いてもらってた手を。


 無理矢理、力いっぱい振り払ったのは、俺自身。


 今更、気にする義理もないほどに。


 だから、これは俺のワガママ。


 でも、その後、糸が切れた凧みたいに、勝手に飛んでったのは、お前自身。


 今更、気にされる義理もないほどに。


 だから、これはお前のワガママ。


 卑怯だろ?


 今になって、しがみつこうとするなんて。


 今になって、立ち止まって振り返るなんて。


 だから。


 どんなに構いたくっても。


 どんなに構ってほしくても。


 口には出さない、俺たちの本音。


 目だけで分かり合って、勝手に満足する、俺たちのワガママ。


 表に出す言葉と態度は、すべて嘘。


 わかっていれば、すべて真実。










>>> 了 


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  02.1.14 






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